2017年 02月 01日
佐保会兵庫読書会 |
第19回佐保会兵庫読書会を平成28年12月22日(木)クリスタルタワーにて、
午後1−4時開催。参加者は9名。
磯田道史著「天災から日本史を読み直す、先人に学ぶ防災」中公新書を合評した。
この本の出版は2014年11月25日(初版)なので、熊本地震の前である。
2011年の東日本大震災があまりにも衝撃的だったので、著者は日本人の沈み込んでいる心をどう埋めれば良いのかと考えこの本を上梓されたのではないかと思われた。
日本人が数々の大災害にどう対処してきたのか、また立ち直ってきたのかを歴史を通して紹介し、今後起きるかも知れない災害にどう立ち向かえば良いのかなど、心構えの重要性を述べている。
著者は、まず日本人はあまりにも科学を過信してきた。科学の力では、自然災害には到底勝てない事を日頃から知っておく必要がある。
しかし天災を人災に変えないように、災害の記録を残しておき、後世に伝える必要性を説いている。
参加者からは、阪神大震災の経験が話された。震災後、被災された人を対象にアンケート方式で参加者の一人も参加して主婦によってまとめられた”79人の20秒”という小冊子が紹介された。当時の状況についてリアルにまとめられていて、貴重な資料だと思った。そして改めて災害の記録を残しておくことの重要性が認識された。
著者は、極限状態に置かれた人間のとる態度について、災害からいかに逃れ得るかの策だけではなく、その時の他人への配慮は、その人の生きて来たそれまでの”歴史”が表面化すると述べている。日頃の生き方について考えさせられる一文である。
次回佐保会兵庫読書会のご案内(無料)
日時:平成29年3月30日(木)午後1−4時
場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー、5階、ブース5
合評する本:田中修著「植物はすごい」生き残りをかけたしくみと工夫、中公新書
佐保会兵庫支部の皆様、野菜も含めて身近な植物の不思議さについて、ご一緒におしゃべりを楽しみませんか。お待ちしております。
世話人 長田久美子(S39年植物卒), 松本佳代子(S40年英文卒)記
by ku-nagata
| 2017-02-01 20:00