2015年 09月 04日
佐保会兵庫読書会 |
第14回佐保会兵庫読書会(旧東灘地区読書同好会)のご案内
とき:10月29日(木)13−16時
ところ:神戸クリスタラルタワー(JR神戸駅南側すぐ)5階、ブース ”5” にて
合評する本:中垣俊之著、「粘菌、偉大なる単細胞が人類を救う」文春新書
佐保会兵庫支部会員のどなたでも読書に興味のある方、一緒におしゃべりを楽しみませんか。
読んで良かった本についてのご紹介も大歓迎です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
第13回読書同好会は7月30日(木)クリスタルタワーにて13−16時に開催された。
猛暑の中、久しぶりの会で参加者は8名。
今回は、湯浅誠著”反貧困”「すべり台社会」からの脱出、岩波新書を合評した。7年前の出版である。
1990年代の長期不況以降、正規から非正規への雇用代替えが急速に進み、若者を含む低所得者が増えた。今や、真面目に働いていれば食べていける時代ではなくなった。努力すれば何とかなる、が通じない。政府は日本における”貧困”を認めたがらないし、現状を把握していない。日本人特有の自尊心も災わいして、自他ともに自己責任で処理しようとする。
著者は、自ら路上生活を体験し、このような声を出さない貧困者に対してNPO、セイフテイネットを立ち上げ救いの手を差しのべてきた。著者は、貧困者が相談出来る人との繋がり、それを彼は”溜”と呼んでいるが、溜を増やす努力が必要だという。貧困者に対する生活保護法についての現状のしくみと将来、適用までに至る困難さなど、実体験をもとに述べられている。
人が人間らしい労働と生活、社会保障が得られるためにどうすれば良いのか、この本を読んでいて難しい事が思い知らされる。さらに、年金受給が先送りされる中、”下流老人”も問題で、貧困は高齢者の我々にも人ごとではない。
まず実体を知る事が大事であり、感心を持ちアンテナをはり、少しでも我々に出来る事を見つけていくしかないか、と思う。出席者からは、海外を含めて貧困の実体と現状が紹介され「すべり台社会」からの脱出の可能性について議論された。
世話人代表 長田久美子記
by ku-nagata
| 2015-09-04 12:18