2016年 05月 02日
佐保会兵庫読書会 |
第16回佐保会兵庫読書会を3月31日(木)クリスタルタワーにて、午後1時−4時開催。参加者は8名。
今回は、池谷裕二著、”脳には妙なクセがある”(扶養社新書)を合評した。'14 1月、第4刷の発行である。
高齢になると物忘れがひどく、なんとか脳の衰えをくい止める妙案がないものかと、脳について良く知ろうと言うことになりこの本を合評する事になった。著者の池谷氏は、脳学者であるが、一般向けの脳に関連する本を数多く出版している。多くのデータを集め、科学的分析に基づいた脳の機能について話題を展開している。
就寝前は、記憶のゴールデンアワーで、睡眠中に記憶の整理と定着が交互に行われている。また、記憶するという行動に身体の運動を伴うと、脳のニューロンは10倍強く活動し、実際、ニューロンの新生が運動で活発化するという。著者は、脳の機能は加齢とともにそれ程衰えるものではない。脳が衰えてーーーは、体力の衰えによる錯覚ではないかと述べている。胃腸の状態は、脳とリンクしている。20%カロリーを落とすと、記憶力がアップする。さらに良い食事の仕方やオメガ3など脳に良い食べ物についても紹介している。しかし、魔法のようなサプリは、実際に期待出来ないとも。
昨今我々もいろいろ心配事がふえ、ストレスの多い日々を暮らしている。ストレスは、脳の老化を早めるらしい。参加者からストレス解消で行っている事について話合われた。おもいきり美味しいものを食べる。ウオーキングなどとにかく運動する。掃除、片付けをする。自分の行動を客観的に把握するために人に話したり、日誌をつけるなど。
文化勲章を受賞した、我が母校の数学者、岡潔先生の話題があった。先生は、学生に情操、情緒を司る前頭葉を鍛えないと人間として不完全である事を強調されていた。その為には美しいものを美しいと感じる脳の能力を高める事が大切である。スマホに依存した現代の生活態度は、脳にどのように影響してくるのだろうか。将来が心配である。
老けるという事は、”夢を持てなくなる事。良く生きる事は、良い経験をする事だ” という著者の言葉を、これから先の
生き方の方針としたい。
次回佐保会兵庫読書会のご案内
日時:平成28年6月30日(木)午後1時−4時
場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー、5階、ブース、5
合評する本、池上彰、佐藤優共著、”大世界史、現代を生きぬく最強の教科書”(文春新書)
佐保会兵庫県支部の読書好きのみなさま、現代の世界事情について一緒におしゃべりを楽しみませんか。 無料です。
by ku-nagata
| 2016-05-02 15:01