佐保会兵庫読書会 |
第27回佐保会兵庫読書会を開催した
日時:平成31年1月31日(木)午後1−4時
場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー、5階、ブース“5”
和田秀樹著「自分が高齢になるということ」’18, 6月新講社出版
その他に各自最近読んだ本で印象深かった本の紹介があった。
参加者は、6名。
合評した本の著者和田秀樹氏は、精神科医である。 85歳以上の高齢者の殆どは、程度の差はあるが脳にアルツハイマーようの変化をきたしているという。したがってボケは、老化に伴う自然な姿で、それを自分自身や周囲も受け入れるしかない。その上で高齢者の生き方について述べている。 ボケは、幸せの「お迎え」かもしれない。 つらい記憶を自分の都合のいいように書き換えてしまう。「嫌なこと」「つまらないこと」を忘れる力が備わってくる。大きな不安が消えていく。従って慌ただしかった人生の安息を迎えることだととらえる。 ボケは徐々にやってくるので、遅らせることは可能である。頭を使い続ける。そのためには、人と会い喋る。外出する。楽しいことをやる。得意だったことをやり続ける。周囲に「教える」「教わる」。達成感のあることをやり続ける。若い人と付き合う。出来ないことや、不自由に感じることがあっても「私がダメになったのではない。これはボケのせいだ」と割り切ることなどが述べられている。
先日のNHKの健康寿命についての番組で、65歳以上、延べ41万人の生活習慣や行動についての600問以上のアンケートをもとに10年間追跡調査し、AIで分析した結果が紹介されていた。それによると、健康寿命の長い人は、一人暮らしで雑誌や本をよく読んでいる人であるらしい。
ところで著者は1960年生まれで、この本を発刊された時点では、まだ58歳と若い。70歳以上の出席者の皆さんからは、著者は80歳以上の高齢者になった場合のボケ、認知症の現状については言及していないとの意見が出された。つまり話が通じない、歩行が困難になる、徘徊や奇妙な行動などの頻度が多くなる高齢者の深刻な事例がある。核家族になり息子や娘には期待が持てない。公的機関は限られている。ボケとどう付き合っていけば良いかについて話し合われ、必ず迎えるボケについて、認知症を治療する薬物の開発に期待する話も出された。
日本は、少子化に伴い労働力不足や年金受給が遅くなることから、高齢になっても健康であり、頭脳が衰えていなければ働き続けることが期待されている。どのような職業に就いて働き続けるか、また報酬をどうするかなどの問題はあるが、なによりも脳、身体の衰えない健康寿命を延ばすことが期待される。
今回合評の後、今後の読書会について話し合われた。世話人の松本と長田の体調が良くなく、また会場のクリスタルタワーの生活創造センターは、近々新長田合同庁舎に移転する。それで読書会は一時休止する
ということになった。
今後、どなたかがまた開催したいというお話が出た場合、再開してはということになった。佐保会兵庫支部の読書のお好きな人に再開を期待したいと思っています。
この会に出席の皆さんにはお世話になり本当にありがとうございました。
39 年植物卒 長田久美子 44年英文卒 松本佳代子