佐保会兵庫読書会 |
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2018年 01月 05日
第22回佐保会兵庫読書会を11月30日(木)クリスタルタワーにて午後1−4時開催。参加者は7名。今回は、エドワード・スノーデン、青木理、井桁大介、金昌浩、ベン・ワイズナー、マリコ・ヒロセ、宮下紘著「スノーデン、日本への警告」集英社新書、またはケント・ギルバート著「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」講談社新書+α新書、のうちいずれかを読んでくることにした。
どちらも厳しい内容の本だったが、皆さん活発な意見で盛り上がった。 前者は、アメリカが2011年の同時多発テロ後、ITを駆使して大規模な監視体制を構築していた。政府の情報局員であった著者のスノーデンは、2013年、テロリストだけでなく、政府は世界の情報を集め監視している事を暴露した。この本では、スノーデン以外の著者らが日本でも同じ事が行われているという。市民はITを通して監視下におかれている事。市民はその事に無関心、無知であってはならないと警告する。益々IT主流の世の中になり、将来ロボットなどAIにも翻弄される可能性があるなど予想がつかない世界なりつつあり不気味である。この先どのように生きていけば良いのか情報機器に弱い高齢者には、特に難しい時代になった。 後者は、昨年発行以来40万部を売り上げたベストセラーである。米国人である著者は、中国、韓国が特に戦後処理の日本の対応について、儒教に基づいた政治路線を強いて、日本に対して一方的とも言える厳しい態度をとっていると指摘し、日本はもっと両国に対して毅然とした態度で外交に臨むべきと、さらにもっと戦闘的な態度で処理すべきだと述べている。ただ中身に、”儒教”についての説明がなく理解しがたい。著者はまた両国の日本に対する歴史認識は誤りであると指摘し、現在でも中国の工作員が日本の汚点を指摘するプロパガンダの役割を果たしていると述べているが、どこまで事実に基づいた報道なのかを見極めて判断する必要があると思われる。 中国、韓国は我々にとっては近しい隣国である。日本は現在まで外国から文化などを取り入れ、日本独自なものに発展してきた。”和”を尊ぶ日本人の忍耐強い精神を発揮し摩擦を避け、対応は難しいとは思うが、なんとか乗り越えて隣国と協調してほしいと願うばかりである。 次回 日時:平成30年2月22日(木)午後1−4時 場所:JR神戸前、クリスタルタワー、5階、ブース”5” 合評する本:カズオ・イシグロ著「日の名残り」早川書房などイシグロ作品。 イシグロワールドについてご一緒におしゃべりを楽しみませんか。お待ちしております。 長田 久美子(39年植物卒)、松本佳代子(44年英文卒)記
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by ku-nagata
| 2018-01-05 19:01
2017年 10月 05日
佐保会兵庫読書会
第21回佐保会兵庫読書会を6月29日(木)クリスタルタワーにて、午後1−4時 開催。参加者は7名 国谷裕子著「キャスターという仕事」'17,1&2月出版、岩波新書 トランプ氏がメデイアを攻撃し、自ら信憑性が疑われるような情報を発信して何が正しい報道なのか疑われる昨今、この本はタイミングよく我々に”メデイア"や”報道”というものの中身やあり方などについて考えさせられる本であった。著者はキャスターとしてNHKの平日午後7時半というゴールデンタイムにその時の問題となっているテーマを取り上げ、VTRやインタビューを通して視聴者に情報を提供するという30分間の”クローズアップ現代”という番組を23年間続けた。キャスターとは、NHKのアナウンサーではなく契約社員である。彼女は女性が社会で活躍することに関心を持っていて、奈良女の佐保会は100周年記念に彼女に講演を依頼し、話された。彼女はまた報道に関してあくまで視聴者側に立ち、国民が得たいという情報を公平な立場で発信していこうという姿勢を貫いていたようである。NHKは政府側であり、番組に関わるスタッフは男性で、特に女性の社会進出などのテーマでは彼女の考え方とはかみ合わない面があり、苦労された内幕が述べられている。また日本人を含む様々な世界の要人をインタビューに招いた番組では、彼女は視聴者が知りたいことを質問し、ゲストから素直な意見を引き出すように努めていた。アナウンサーではないキャスターという立場から多少自由な行動が可能であるため、その態度は各方面から批判を浴びたこともあったという。しかし彼女があくまで視聴者が知りたいという側に立っての番組作りに努力されたその熱意に感動を覚えた。NHKが2016年から番組を一新するからという理由で彼女は契約解除になり、それが契機でこの本が上梓された。最近ツイッターなどインターネットが報道の主流になる中、どのようにすれば人々を幸せにし、かつ信頼できる報道が持続可能か大きな問題である。著者は、その将来性について危惧を抱いておられる様子が文中にうかがえる。 次回、佐保会兵庫読書会(無料) 日時:平成29年11月30日(木)午後1−4時 場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー、5階、ブース "5" 合評する本:スノーデン著「スノーデン、日本への警告」集英社新書 またはケント ギルバート著「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」 講談社+α新書、のいずれか。 一緒におしゃべりを楽しみませんか。お待ちしております。 長田 久美子(39年植物卒)、松本佳代子(44年英文卒)記 #
by ku-nagata
| 2017-10-05 10:36
2017年 05月 04日
第20回佐保会兵庫読書会を3月30日(木)クリスタルタワーにて、
午後1−4時開催。参加者は11名
田中 修著 「植物はすごい」生き残りをかけたしくみと工夫、’12,7月出版、 中公新書 同じ著者の「植物はすごい」植物の七不思議篇、’15,7月出版、を合評した。植物は、動物と異なり動けない。植物がどのようにして外界から身を守って生きているか、また子孫を増やす能力を備えているかについて述べている。外界とは、暑さ、寒さ、紫外線、乾燥、動物による捕食など。 植物は、太陽光をエネルギー源として光合成を行うことによって生きている。しかし、植物は太陽光エネルギーの3分の1しか利用していない。残りの光エネルギー、および紫外線は、植物にとっては活性酸素が産生されるため毒性源となる。植物はそれを処理するために種々の抗酸化作用を示すアントシアニン、カロテノイド, ビタミンAやEなどを体内に持ちその含量が高い。人は、野菜から抗酸化物質を得ている。動物による捕食や攻撃に対しては、ある植物はトゲを所有して、また体内に苦味、辛味成分、毒物を産生することによって防衛している。これらの性質は、植物が熟する頃になると減少するか消失する。そのため実や種が、動物に食べられやすくなって、子孫を増やす事になる。ニガウリの、種の周りは熟すると赤く色づき、甘くなるのはその例である。植物は、温度に敏感に反応している。冬を越すと、野菜が甘くなる。植物体内の糖度を増すことにより、凍ることを避けているという。梅や桜は、外界の温度差を敏感に感受して開花し、我々を楽しませてくれている。参加者からギムネマ茶がふるまわれた。ギムネマの葉の成分が、口腔内や舌にある味蕾の甘味受容体だけをブロックするため、甘味だけを感じさせなくするという。飲んだ後、確かにキャラメルの甘さが感じられなくなり、この茶の効果が実感できた。糖の吸収も妨げるそうで、ダイエット効果が期待されている。今回の本から様々な植物の威力を知ることが出来、楽しい話会いを持つことが出来た。ただ巻末に、植物の名前の索引があれば、今後読み返す時に便利であるのにという感想があった。 次回佐保会兵庫読書会のご案内(無料) 日時:平成29年6月29日(木)午後1−4時 場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー。5階、ブース 5 合評する本、国谷裕子著 「ニュースキャスターという仕事」、岩波新書 NHKの看板キャスターとして第一線で活躍してきた著者の生き方について一緒におしゃべりを楽しみませんか。お待ちしております。 長田久美子(39年植物卒)、松本佳代子(44年英文卒)記
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by ku-nagata
| 2017-05-04 20:53
2017年 02月 01日
第19回佐保会兵庫読書会を平成28年12月22日(木)クリスタルタワーにて、
午後1−4時開催。参加者は9名。 磯田道史著「天災から日本史を読み直す、先人に学ぶ防災」中公新書を合評した。 この本の出版は2014年11月25日(初版)なので、熊本地震の前である。 2011年の東日本大震災があまりにも衝撃的だったので、著者は日本人の沈み込んでいる心をどう埋めれば良いのかと考えこの本を上梓されたのではないかと思われた。 日本人が数々の大災害にどう対処してきたのか、また立ち直ってきたのかを歴史を通して紹介し、今後起きるかも知れない災害にどう立ち向かえば良いのかなど、心構えの重要性を述べている。 著者は、まず日本人はあまりにも科学を過信してきた。科学の力では、自然災害には到底勝てない事を日頃から知っておく必要がある。 しかし天災を人災に変えないように、災害の記録を残しておき、後世に伝える必要性を説いている。 参加者からは、阪神大震災の経験が話された。震災後、被災された人を対象にアンケート方式で参加者の一人も参加して主婦によってまとめられた”79人の20秒”という小冊子が紹介された。当時の状況についてリアルにまとめられていて、貴重な資料だと思った。そして改めて災害の記録を残しておくことの重要性が認識された。 著者は、極限状態に置かれた人間のとる態度について、災害からいかに逃れ得るかの策だけではなく、その時の他人への配慮は、その人の生きて来たそれまでの”歴史”が表面化すると述べている。日頃の生き方について考えさせられる一文である。 次回佐保会兵庫読書会のご案内(無料) 日時:平成29年3月30日(木)午後1−4時 場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー、5階、ブース5 合評する本:田中修著「植物はすごい」生き残りをかけたしくみと工夫、中公新書 佐保会兵庫支部の皆様、野菜も含めて身近な植物の不思議さについて、ご一緒におしゃべりを楽しみませんか。お待ちしております。 世話人 長田久美子(S39年植物卒), 松本佳代子(S40年英文卒)記
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by ku-nagata
| 2017-02-01 20:00
2016年 11月 02日
第18回佐保会兵庫読書会を9月29日(木)クリスタルタワーにて、
午後1−4時開催。参加者は11名 今回は、島田裕己著「もう親を捨てるしかない」幻冬舎新書または、五木寛之著「玄冬の門」ベスト新書のどちらかを読んできて参加者が感想を述べた。 介護殺人など近年親への殺人事件が増加している。なぜこのような事になったのか、外国の場合と比べ日本特有の事情を論じている。欧米と比較して、親離れ子離れが出来ていない精神的弱さ、また子が親を頼らざるを得ない経済事情。さらに日本人特有の 「人に迷惑をかけたくない」「子が親を見るのは当たりまえ」など ”世間の目” があり、子が精神的に追い詰められる。日本人の高齢者には、”ねたきり” が多い。これらが昨今の事件の背景にあり今後いずれも深刻さが増す問題である。何よりも親も子も一人で生きていくという自立心を持たなくてはならないという事に加えて、経済的またセフテイネットなどの環境整備が必要であると著者は指摘する。 参加者の皆さんからは、 自分の親についてや自身の現在の立場を話され、自立しておられる様子がうかがえたが、今後高齢化が深刻さを増す中で人生の終末をどうするかという難しい問題が話し合われた。人の生まれは自身の意思ではないが、死は選択でき、それについての法的整備も含めて今後考慮されても良い問題ではないか、などの話が出た。考える事を避けたいが、近い問題として念頭において生きていく事が重要であると思われた。 次回佐保会兵庫読書会のご案内(無料) 日時:平成28年12月22日(木)午後1−4時 場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー。5階、ブース、5 合評する本:磯田道史著 「天災から日本史を読みなおす、先人に学ぶ防災」中公新書 佐保会兵庫県支部の皆様、昨今、地震、津波、火山噴火、異常気象など自然災害が多いなか、どのような心がまえが必要なのか、一緒におしゃべりを楽しみませんか。お待ちしております。 長田久美子(S39年植物卒)
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by ku-nagata
| 2016-11-02 16:16
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