2016年 08月 04日
佐保会兵庫読書会 |
佐保会兵庫読書会
第17回佐保会兵庫読書会を6月30日クリスタルターワーにて、午後1-4時開催。
参加者は11名。
今回は、池上彰、佐藤優著 "大世界史、現代を生き抜く最強の教科書” (文春新書)を合評した。
現代の世界情勢に詳しい著者2人の対談形式の本で、10月 '15年の発行である。
合評の日は、英国が国民投票でEU残留という予想に反して離脱を決定した直後であった。この英国の決定は、EUのみならず世界を震撼させ今後のヨーロッパ諸国のみならず世界の歴史を変えうる大事件であり、益々現代の国際情勢を読み解く必要があると思われた。参加者からは、世界情勢を考える上でタイミングよくこの本を読む事が出来たとの声。この本では、難しい現代の世界情勢を著者らは、”新帝国主義台頭の時代” と捉える事が出来るという。ウクライナの侵攻を始めたロシア新帝国、EUで主導権をとりつつあるドイツ帝国。現代のエルドアンが押し進める新オスマン帝国、明王朝の復活を呼び起こすかにみえる新中国帝国、冷戦時代にみられた米国とロシアとの摩擦の再来。 日本人には疎い中東の歴史を、現代の世界情勢を読み抜く点で重要視せねばならないと言う。特に石油産出国の反欧米に対する政治体制や、イスラム国の台頭は、現在の世界情勢に多大な影響を及ぼしている。日常生活の中でそれ程宗教を感じていない我々日本人にとって、イスラム教、イスラム国は理解しがたい。
宗教間の覇権争い、産油国として歴史的に利権を奪われてきた西欧へのうらみ、最近種々のテロを引き起こしている IS、イスラム国の挙動は理解しがたいが世界情勢に多大な影響を及ぼしている事は疑いのない事実である。今後アジアや南側の人口が増加し、世界的に格差社会が広がる情勢とあいまって、益々国家間、民族間の争いが増加する傾向にあり、世界情勢は厳しくなりつつある。今後我々は、どうすればこのような世界を生き抜いていけるか、また日本はどのような態度をとっていくべきか、
とても難しい課題である。少なくとも日本での格差社会を是正し、若者に平等なる教育を与え、特に日本と西洋の歴史を併合して教える教育を重要視していくべきであるという。歴史を学ぶ事は、「代理体験」し、視野を広げる事が出来る。今後の世界情勢安定化における日本の貢献を期待したい。参加者からは、EU離脱を決めた英国の国民投票という方法に対する疑問や、まじかにひかえた都知事選にたいするよもやま話で盛り上がった。
次回佐保会兵庫読書会のご案内(無料)
日時:平成28年9月29日(木)午後1−4時
場所:JR神戸駅前、クリスタルタワー、5階、ブース 5
合評する本、次回は以下の2冊の内どちらかを読んできて合評する。
島田裕己著「もう親を捨てるしかない」幻冬舎新書
または五木寛之著「玄冬の門」ベスト新書
佐保会兵庫支部の読書好きの皆さま、我々には切実な問題である老後について一緒におしゃべりを楽しみませんか。お待ちしております。
長田 久美子(S39年卒植物)記
#
by ku-nagata
| 2016-08-04 19:38